静電式固液分離装置(ガルフトロニックセパレーターシステム)

石油精製設備であるFCC/RFCC装置のボトムオイルから触媒をほぼ完全に分離除去し、スラリーオイルの用途拡大と収益性アップに大きく貢献しています。ユニークな超高分離性能と手の掛からない長期間メンテナンスフリー特性により、国内のFCC/RFCCの1/3にて採用されています。
静電式固液分離装置とは
FCC/RFCC装置のスラリーオイルは一般燃料油としての用途の他に、芳香成分に富むことから、カーボンブラックや電極用コークス、炭素材料等付加価値の高い製品への用途が可能です。しかしいずれの用途においてもスラリーオイル中に数千ppm含有する粒子状の FCC触媒がネックとなり、使用にあたっては他の油で薄めるかまたは除去する必要があります。
オイル中の触媒の平均粒径は10~20ミクロンですが、その内約20%が5ミクロン以下の微細粒子であり、これを従来の機械式フィルターで分離することはフィルターの目詰まりの面から原理的にもまた実運転上でも不可能です。
ガルフトロニックセパレーターは米国ガルフ社によって開発された、フィルター方式とは全く異なる、静電方式を採用したユニークな分離設備であり、「高性能(実績:数ppm)、5年間(実績)のノーメンテナンス」を特徴として、これまでに世界で45基以上、国内においても日本のFCC/RFCC装置数の1/3に採用され(9基)順調に稼動しています。
分離原理
- ガルフトロニックセパレーターは内径30cm、長さ2mの円筒形のモジュールを規模に応じて十数基を組み合わせてシステム化した設備で、各モジュールの中には特殊なガラスビーズが充填されています。
- モジュール内部は30KVの高電圧がかけられてあり、触媒を含んだスラリーオイルがモジュール内部を通過すると、触媒粒子はプラスとマイナスに分極しオイルの中を移動してガラスビーズに吸着されます。(この現象を電気工学上では誘電泳動と呼ばれています。)
- 一方、触媒を除去されたスラリーオイルはガラスビーズ間の空間部分を余裕で通過していきます。(設備全体の圧損は常時0.1~0.2kg/cm2程度です。)
特徴
- 分離原理にある通りのユニークな分離技術により、実績で数ppmまでの分離性能と0.1kg/cm2程度の低圧力損失が可能です。従ってスラリーオイルのブースターポンプ新設も不要です。
- タイマーにて定期的に行なわれる自動逆洗運転により(モジュール1基づつ:他は運転継続中)、モジュール内部は常にクリーンな状態を保ちます。従って定期補修時に開放点検や洗浄をする必要がなく長期間のメンテナンスフリーな運転が可能です。(実績5年以上)
- FCC/RFCC原料油を一部バイパスして逆洗油として使用するシステムであり、(メインラインからの取り出し、ライザーへのリターンとも連続)また逆洗時の圧損も小さいので、逆洗油システムとしての受入れ槽、払出し槽、ブースターポンプ等が不要であり、付帯設備のコストダウンが図れます。
- 運転に必要なユーティリティコストは高圧電場用の電力(400/440VAC)と作動バルブ用の計装空気であり、標準規模でそれぞれ、30KWH、3Nm3/hと僅少です。
- 当設備はスキッド上に全体を一つにパッケージした形で納入します。標準規模でのネット敷地面積は30m2と非常にコンパクトです。
納入実績
ガルフトロニックセパレーターはFCC/RFCCのスラリーオイルからの触媒分離用設備として世界中の製油所にて広く採用され、エクソンモービル、シェル、BP等45基以上の実績があります。また日本国内においても、出光興産、新日本石油、昭和シェル石油、コスモ石油、東燃ゼネラル石油、極東石油殿の製油所にて高性能を発揮し順調に稼動中です。(9基)
販売権所有会社
ガルフトロニックセパレーターは米国GULFTRONIC社によって開発された設備であり、日本と東南アジアにおいてはクロリンエンジニアズ(代理店:三井物産プラントシステム株式会社)が販売・技術サービスを行なっています。
ページのトップへ